シーゲート序曲

シーゲート序曲(J.スウェアリンジェン作曲)(Seagate Overture / James Swearingen)。
昨日の日記(7月31日)で「アルヴァマー序曲は、私の吹奏楽人生の原点になった曲だ」と書いた。それはその通りなのだが、その他にも、人生の時々で「これが私の吹奏楽人生の転機になった曲だ」と思う曲がいくつかある(「吹奏楽人生」と書くと大げさだが…)。この曲もそういう曲のひとつ。

中学の時に運営の中心学年となった時に、活動の中心にあった曲。というわけで、自分たちが主導で仕上げた曲ということで思い入れがあるし、苦い思い出を含むが、絶対ここにかえってこなければならないと私自身は思う。コンクール、他の音楽会、依頼演奏、文化祭などでたびたび使いまわして(?)いた。

ちなみに、私が中学時代に在籍していた吹奏楽部は、先輩たちが「アルヴァマー序曲」を演奏していた時はそれなりに上手であったが(憧れが入っているから余計にそう思えるのかもしれないが)、それ以後転落?しはじめて、演奏した曲も簡単な曲がほとんどだった。そして簡単な曲も全然うまく仕上げられないまま、何となく全員がそれなりに満足して…というか「きちんと仕上がっていない」ということにほとんどの部員が気づかなくて…、個人練習の時間は上級生はトランプや受験勉強をする(後輩は先輩の目があるからそれなりに練習する)というクラブになっていたので、そんな私たちにとって「シーゲート序曲」は大曲だったのだ。

というわけで、「あの時はそれなりに満足していたが、今になって聴くとテープを投げ出したくなるくらい恥ずかしい」という苦さを含みながらも、やっぱりこの曲も私自身にとって転機になる曲だと思う。実際、当時の演奏が収録されたカセットテープを引っ張り出して、さっき聴いていたのだが、本気でカセットテープを投げ出したくなるくらい恥ずかしかった。

なんといっても、音程が全然合っていない(当時「チューナー」というものの存在は部員全員が一応知っていたが、何のためにチューニングするのかは誰も理解していなかったと思われる)。パート内でも全体でも音程が全然合っていない。テンポが一定していない。特に中間部はテンポは崩れるし、音程も揃っていないしで、きゃあぁ、と思う。強弱が全然ついていない。そして、特にこれは後年、Tuba担当だった私自身が聴いて苦い思いをしたのだが、中低音が全然鳴っていないので、全体的にすごく弱々しく聴こえる。土台をしっかりさせずに建った建築物のようだ。で、テンプルブロックを調達できなかったので、テンプルブロックのソロパートを木琴で演奏しているあたり、既に何かが激しく間違っている気がする。

とは言っても、それなりに楽しく演奏していたなぁ。楽しく楽器も吹いていたし(たぶん誤った扱いをたくさんしていたと思うけれど…)。吹奏楽のことを何も知らないのに試行錯誤で指導してくださったI先生、学生指揮をしていたHちゃん、その他たくさんの人にありがとうと思う。